ベトナム社会主義共和国の正式な国旗は、現地で「Cờ đỏ sao vàng(コードーサオヴァン=金星紅旗)」と呼ばれます。その意匠は、縦横比率2:3の長方形の赤地をベースに、幾何学的な黄金比に基づいて配置された黄色い五芒星で構成されています。この極めて印象的な2色と星の形状には、それぞれ明確な国家理念が反映されています。
背景の「赤色の理由」は、フランス植民地支配や度重なるインドシナ戦争、ベトナム戦争において、自由と独立のために命を捧げた殉教者や国民の「尊い血」と「革命への情熱」を表しています。単なる装飾的な配色ではなく、国家主権を回復するために払われた多大な犠牲を風化させないための記念碑的な意味合いを帯びています。
そして中央に配置された黄色い星の「5つの角」は、社会主義国家としての建設を担う主要な5つの階層、すなわち「労働者」「農民」「知識人」「兵士」「青年(および商人・実業家)」の連帯を示しています。多様な立場にある国民が手を取り合い、ひとつの星=国家として結束するという強固な連帯意識が、この星の先端ひとつひとつに込められています。また、星の黄色はベトナム民族の肌の色を象徴するとともに、平和と繁栄への明るい希望を指し示しています。