ネット上の掲示板やSNSでは、しばしば「時間が逆行しているなら、そもそも会話が成立しないのではないか」「1日ごとの記憶のズレはどうなっているのか」といった疑問や誤解が散見されます。このタイムパラドックスに関する論争について、作品内の設定ルールを整理します。
本作の時間構造における決定的なルールは、「24時間の1日という単位の中では、2人とも通常通り未来に向かって時間が流れている」という点です。愛美の世界も高寿の世界も、時計の針は普通に前へ進みます。しかし、「日付の更新(深夜0時)」を迎えるたびに、愛美は高寿にとっての「昨日」へと跳躍します。
したがって、その日の朝から晩までのデート中、リアルタイムの会話や感情のやり取りが逆行することはありません。ただし、翌朝会ったときには、高寿は「昨日の思い出」を胸に持っていますが、愛美にとっては「これから体験する未来」になるため、記憶の共有がすれ違います。この「1日の中の順行」と「日単位の逆行」という二重構造を理解することが、本作のロジックを解き明かす鍵となります。
そして、この切ない構造を完璧に代弁したのが、back numberが書き下ろした主題歌『ハッピーエンド』です。「青いまま枯れてゆく あなたを好きなままで消えてゆく」という歌詞は、愛美が抱えていた言葉にできない痛切な叫びそのものであり、清水依与吏(Vo/Gt)の紡ぐメロディが映画のテーマを完成させました。