朝の体重がベースになるからといって、夜の測定が無意味なわけではありません。実は、家庭用体組成計で「体重」と「体脂肪率」を同時に測っている人ほど陥りやすい重大なトラップが存在します。ここで、体脂肪率は朝と夜どっちが正確なのかという問題を、生体電気インピーダンス法(BIA法)の計測原理から検証しましょう。
家庭用の体組成計は、足裏(および手のひら)の電極から体に微弱な電流を流し、その電気抵抗値(インピーダンス)から体脂肪率や筋肉量を推計しています。筋肉や水分は電気を通しやすく、脂肪は電気を通しにくいという性質を利用しているため、体内の水分量や分布が変わると、実際の脂肪量は1グラムも変わっていなくても体脂肪率の数値が2〜4%ほど簡単にブレてしまうのです。
起床直後の朝は、睡眠中の発汗と呼気によって体内の水分が失われ、血液やリンパ液が胴体部分に集まっています。手足の水分量が少ないため電気抵抗が大きくなり、朝の体脂肪率は実態よりも高く表示される傾向があります。逆に、入浴直後や運動直後は血行が促進されて皮膚温が上がり、電気抵抗が下がるため、体脂肪率が実態より異常に低く出やすくなります。
上の比較表が示す通り、朝と夜の体重差の平均は健康な成人で約0.5kg〜1.0kg(500g〜1,000g)の範囲に収まります。A&Dの研究データでは、朝の基礎体重と夜の体重の差を600g以内にコントロールできれば、睡眠中の消費によって翌朝の基礎体重が約50gずつ減っていく(1ヶ月で約1.5kg減)という具体的な目安が示されています。