ネット上の掲示板やSNS、知恵袋を巡回すると、「成美高校は校則が厳しすぎる」「スポーツ推薦組が幅を利かせていて勉強しづらいのでは」といった懸念の声が目立つ。現場の教育関係者や卒業生への取材から見えてきたのは、「ひとつのキャンパス内に共存するふたつの文化」という実態だ。
京都の私立・福知山成美高校は、甲子園出場実績を誇る硬式野球部をはじめ、女子硬式野球部、ビーチバレー部、サッカー部、吹奏楽部など、全国区の部活動を複数抱える。結果として、校内には「競技成績で全国を狙うアスリート集団」と「机に向かい国公立大学進学を狙う特進生」という、目的意識の全く異なる生徒群が同居することになる。
卒業生の一人は取材に対し、当時の校内風景を次のように語っている。
「アカデミアコースの教室は、放課後も静まり返って夜遅くまで自習や補習が続く進学校そのもの。一方で、グラウンドからは全国を目指す強豪運動部の気迫ある怒号が響いていました。校舎内での動線はしっかり区切られており、授業中に干渉されることはありませんでしたが、行事の熱量やノリには独特の温度差がありましたね」
校則に関しては、スマートフォン利用の制限や頭髪・服装指導について「私立らしい厳格さ」が保たれている。毎月の頭髪検査やアルバイト原則禁止といったルールに対し、SNS上では「時代遅れ」と不満を漏らす声も散見される。しかし保護者層からは「生活規律が整っており、安心して預けられる」と評価されており、規律の厳格さはそのまま学校側の教育方針に対する信頼の裏返しとも言える。
対照的に、大阪府立成美高校の口コミでは「先生方が親身に相談に乗ってくれる」「中学時代に不登校気味だったが、自分のペースで登校できるようになった」という声が多くを占める。公立校ならではの自由度と、個々の事情に応じた手厚いフォロー体制が、生徒のセーフティネットとして機能している様子がうかがえる。