池袋の北口や西口の雑居ビル群。かつては特定の代紋を掲げた事務所が睨みを利かせていたエリアだ。しかし今、そこにいるのは名簿も看板も持たない若者たちである。
警察当局が「トクリュウ」と呼ぶ彼らは、固定された組織を持たない。SNSの暗号化アプリで繋がり、プロジェクトごとに離合集散を繰り返す。従来のヤクザ組織のような「親分・子分」の絆など存在しない。あるのは徹底した利害関係のみだ。このドライな関係性が、警察の捜査を極めて困難にしている。末端を逮捕しても、トカゲの尻尾切りに終わり、首謀者まで辿り着けない構造が完成しているのだ。