映像の世界において、香川が見せた圧倒的な存在感は今なお語り草となっている。NHK大河ファンタジーとも称された巨編ドラマ『坂の上の雲』で見せた正岡子規役の凄絶な役作りは、病魔と戦う鬼気迫る演技で日本中を震撼させた。
さらにTBSの日曜劇場『半沢直樹』で演じた大和田常務役は、顔芸と形容されるほど狂烈なインパクトを残し、社会現象を巻き起こした。宝塚歌劇団の舞台で培われた母・浜木綿子の妥協を許さないプロ意識と芝居への情熱。それこそが、息子の血肉となり、狂気と気品を同居させる唯一無二の表現力へと昇華したのだ。