惨劇の舞台となったのは、山々に囲まれたわずか十数戸の集落だった。世間を震撼させた山口周南連続殺人放火事件は、近隣住民5人の命が奪われるという前代未聞の凄惨な展開をたどった。火災現場から発見された犠牲者の遺体と、集落の掲示板に貼られた謎の川柳。異様な符号が次々と浮かび上がる中、平穏だったはずの地域社会は文字通り崩壊した。
事件直後の現場周辺には重苦しい静寂が漂っていた。山狩りに乗り出した捜査員たちの足音だけが響き、住民たちは戸締りを強固にして怯えていた。周囲を深い山林に囲まれた地理的閉塞感。それが犯罪の残虐性をより一層際立たせ、全国に計り知れない衝撃を拡散させたのだ。