離乳食本を開けば必ず登場する「茶こしにツナをあけ、熱湯を回しかけて油分と塩分を抜く」という工程。果たしてこれは、日々の調理においてどこまで厳密に行うべき作業なのだろうか。
結論から言えば、食塩無添加の水煮缶であっても、魚自体が本来持っている天然のナトリウム(塩分)が含まれている。大人の舌には無味に感じられても、赤ちゃんの腎臓には負担となり得るのだ。熱湯をかける作業は、単なる油落としではなく、余分な塩分を洗い流す「簡易デサルト(脱塩)」の役割を果たしている。ただし、熱湯をかけすぎればパサつきが極端に進み、赤ちゃんが喉を詰まらせて吐き出す原因にもなる。湯通しした後に少量の片栗粉やだし汁でとろみをつける——このひと手間が、台所での攻防を平和に終わらせるための実戦的な防衛策となっている。