火のないところに煙は立たないというが、ネットのアルゴリズムは時に火種のない場所に大火災の幻影を作り出す。検索エンジンやX(旧Twitter)の入力欄に突如現れるネガティブキーワードは、まさにその典型だ。多くのファンが「まさか」と息を呑み、真相を確かめようとクリックを重ねることで、さらに関連ワードの表示頻度が高まる悪循環が生まれた。
プロ野球選手の私生活は常に好奇の目に晒されている。遠征先での密会や派手な交友関係が報じられる事例は枚挙にいとまがない。しかし、今回の疑惑において具体的な密会写真や告発者の証言といった決定的証拠は、ただの一件も提示されていない。実態は、過去に起きたSNS上の事件や断片的な情報が、ゴシップを求める人々の手によって歪曲・合成された「デジタルな虚像」に過ぎなかったのだ。