東日本と西日本でスーパーの即席麺コーナーを見比べると、その風景の違いに驚かされる。関東以北では目にする機会が限られる一方、西日本の店舗では驚異的なフェイス数で陳列されているのだ。
その背景には、徳島県徳島市に本社を置く徳島製粉株式会社の堅実な地域密着戦略がある。無理に東日本の巨大市場へ全国配荷を急ぐのではなく、西日本から静岡、沖縄に至る物流網と販売網を徹底的に強化。地元の卸売業者やスーパーマーケットとの信頼関係を数十年にわたって積み上げてきた。毎日のように買い物へ訪れる生活者の視線に自然と入り込み、「あって当たり前」のインフラとなったのだ。
さらに見逃せないのが、西日本の食文化に寄り添った味作りだ。関西から西の地域では、出汁の旨味とあっさりしつつも芯のあるコクが好まれる。濃口醤油や強い豚骨臭で押すのではなく、鶏ガラと香味野菜が調和した飽きのこない味わいは、日々の生活に寄り添う日常食として完璧なチューニングだったといえる。