この熱波は、カルチャーの枠を超えて経済活動にも波及している。かつて「企業の公式アカウント」といえば、礼儀正しい宣伝文句や新商品の美しい撮影カットを投稿するのが常識だった。しかし、現在のZ世代やα世代の消費者は、露骨な広告を驚くほどの速さでスルーする。
そこで注目を集めているのが、公式自らが自社商品や舞台裏のシュールな写真を投稿し、ユーザーに「一言」を募る参加型キャンペーンだ。ある大手食品メーカーが自社製品の試作失敗作の写真を使って投稿を呼びかけたところ、数万件の投稿が集まり、売上高が前年比で大幅増を記録する事態まで起きた。商品を自慢するのではなく、自ら「ボケのフリ」として差し出す——企業と消費者のコミュニケーションのあり方が根本から覆されつつある。