アニメを観ている誰もが彼を「小池さん」と呼びますが、設定上の本名は鈴木伸一(すずき しんいち)です。作中で「小池さん」と呼ばれるようになった背景には、初登場作である『オバケのQ太郎』におけるコミカルな行き違いがありました。
劇中の彼は「小池さんという人の家に下宿(間借り)している鈴木さん」という立場でした。玄関に掲げられていた表札が大家の「小池」だったことから、主人公のQ太郎をはじめとする周囲の人物が「小池さんの家にいる人=小池さん」と勘違いして呼び始め、そのまま定着してしまったという経緯があります。
藤子・F・不二雄作品の短編や後年のエピソードでは、本人が「私の名前は鈴木なんだけど……」とぼやく場面も描かれました。作中で誤解が独り歩きし、やがて本人も諦めて受け入れてしまうプロセスそのものが、藤子作品特有のペーソスとユーモアを象徴しています。