この独創的なプロダクトの根底には、デザイナー三宅一生が追求し続けた「一枚の布」という根源的な思想が息づいている。2000年に「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」のシリーズの一部として産声を上げたこのバッグは、2010年秋冬シーズンより「BAO BAO ISSEY MIYAKE」として独立したブランドへと進化を遂げた。手がけるのは、常に衣服と身体の新しい関係を探求し続ける株式会社イッセイミヤケだ。
三角形の構造ピースをメッシュ生地の上に精密に配列した幾何学デザインは、置けば完全にフラットな二次元となり、持ち上げると重力と中身の形に応じて予測不能な三次元へと変化する。この革新的なアプローチはデザイン界にも衝撃を与え、2008年にはグッドデザイン賞を受賞。形をあらかじめ決定づけるのではなく、使い手と中身の重みがフォルムを決定するという動的なデザイン思想は、日本のものづくりが到達した一つの頂点といえる。