どれほど完璧な比率で裏ごしを重ねても、火入れで失敗すればすべてが水泡に帰す。プリンの内部に蜂の巣のような穴が開く「す」の現象は、卵のタンパク質が85度を超えて急激に熱凝固する際に水分を吐き出すことで生じる。
これを防ぐ絶対条件が、天板に50〜60度前後のぬるま湯をたっぷり張る「湯煎焼き」だ。オーブンを140〜150度の低温に設定し、40分から50分かけて熱をじんわりと中心部へ届ける。器の周囲を穏やかな蒸気と温水で包み込むことで、アパレイユ全体の温度上昇を緩やかに保ち、プリン液全体が均一に固まる。焼き上がりの目安は、型を軽く揺らしたときに中心がフルフルと波打つ程度。余熱で中心まで火を通し、粗熱を取ってから冷蔵庫で一晩寝かせることで、油脂分とカボチャが完全に馴染み、濃密なテクスチャーが完成する。