春日井市の朝食事情を語るうえで外せないのが、隣接する名古屋市から脈々と受け継がれてきた喫茶店文化のDNAだ。かつて繊維産業などで栄えた尾張地域において、商談や情報交換の場として発達した名古屋モーニング。そのエッセンスは春日井の地でさらに磨かれ、独自の進化を遂げてきた。
その象徴が、言わずと知れた小倉トーストである。こんがりと黄金色にトーストされた厚切り食パンに、たっぷりの有塩バターと艶やかな粒あん。口に運んだ瞬間に広がる甘じょっぱさは、一度味わえば病みつきになる中毒性を持つ。最近では、自家製マスカルポーネクリームを合わせたり、地元産の天然塩をひとつまみ振って輪郭を引き締めたりと、各店がオリジナリティを競い合っており、郷土の味は現代的なスイーツへと昇華を遂げている。