かつてスクランブル化の技術的議論といえば、テレビに挿入するB-CASカードを用いた暗号化制御が中心だった。有料放送チャンネルのように信号をロックし、契約者だけに解除キーを割り当てる手法だ。だが、デバイスの進化に伴い、技術的な議論の主戦場はデジタル環境へと移行した。
その象徴が、公式動画配信サービスであるNHKプラスの存在感増大だ。テレビ受像機を持たずスマートフォンやPCだけでコンテンツを消費する層が増える中、従来の地上波放送とインターネット同時配信の融合が進む。これにより、テレビメディア産業全体の構造が塗り替えられつつあり、地上波だけを特別扱いする従来の受信契約の妥当性に対し、視聴者側からの厳しい視線が注がれている。