彫りの深さが爆発的な化学反応を起こした大ヒット作といえば、映画『テルマエ・ロマエ』を外すことはできない。古代ローマ人を日本人が演じるという前代未聞のキャスティングにおいて、阿部寛や市村正親、北村一輝らが並んだ画面の説得力は圧巻の一言だった。大真面目に古代ローマの技師を演じるからこそ生まれるシュールな笑いは、コメディ映画の金字塔として今も語り継がれている。
また、重厚な衣装と髷(まげ)を落とし込む時代劇の世界でも、彼らの存在感は際立つ。目力の強さと存在感は、群雄割拠の戦国武将や重々しい武士の生き様を描く上で不可欠だ。さらに近年、空前の社会現象を巻き起こしたTBS系大ヒットドラマ『VIVANT』でも、中央アジアの異国情緒溢れるロケーションに負けない強烈な顔立ちのキャスト陣が迫真の攻防を繰り広げた。シリアスなサスペンスから振り切ったコメディまで、振り幅の広さこそが濃い顔俳優の真骨頂と言える。