猫マーキング行動としっぽの関係性は深く、しっぽを立てて震わせる仕草は、尿を吹き付ける猫しっぽぷるぷるスプレー行為の姿勢と外見上酷似しています。このため、「去勢手術を受けたのにスプレーをしているのでは」と不安になる飼い主が後を絶ちません。
未去勢のオス猫(および一部のメス猫)が行う本来のスプレーは、立った姿勢のまま垂直なしっぽを小刻みに震わせ、後方の壁や家具に向けて濃縮された強い臭気を持つ尿を噴射します。これは縄張りの主張や自己アピールを目的とした本能行動です。
一方で、去勢・避妊手術を完了した猫でも、おしっこを出さずに全く同じ姿勢でしっぽをぷるぷるさせる現象が確認されています。これは臨床行動学で「エアスプレー(偽スプレー)」と呼ばれており、尿の排出を伴いません。尿は出ないものの、マーキング行動の神経回路が興奮や強い安心感によって刺激された結果生じるもので、去勢済みの成猫の約10〜15%に見られる一般的な行動パターンです。