バラエティ番組などで遠藤憲一が披露する定番ネタといえば、「恐妻家」エピソードだ。「家では完全に妻の言いなり」「少しでも粗相をすると怒鳴られる」と面白おかしく語る姿はおなじみだが、その本質は恐怖ではなく、深い敬意と愛妻家としての真情にある。
かつて酒癖が悪く、私生活でも荒れていた時期があった遠藤憲一を、真正面から叱りつけ、人間として立て直したのが昌子氏だった。「お酒をやめるか、私と別れるか」と迫られ、彼は断酒を決意。生活態度から言葉遣い、仕事への向き合い方に至るまで、彼女の厳格な指導のもとで磨き上げられていった。
芸能界という浮き沈みの激しい世界において、自分に対して一切の忖度なく本音で怒ってくれる存在は極めて稀有だ。遠藤憲一自身、メディアで「妻がいなければ今の自分は存在しない」と公言して憚らない。恐妻家という看板は、彼にとって最大の感謝の表現なのである。