平澤宏々路の再ブレイクを語る上で避けて通れないのが、スタジオジブリ作品『アーヤと魔女』と、白石和彌監督が手掛けた『仮面ライダーBLACK SUN』という2つの金字塔です。
スタジオジブリ初のフル3DCGアニメ『アーヤと魔女』において、彼女はオーディションで見事に主人公・アーヤ役を射止めました。媚びない強さとしたたかさ、それでいて誰からも愛されるチャーミングさを声だけで完璧に具現化。巨匠たちを驚嘆させたその発声技術は、女優としての台詞回しに強固な説得力を与える礎となりました。
さらに世間に衝撃を与えたのが、西島秀俊と中村倫也が主演を務めた重厚なバイオレンス作『仮面ライダーBLACK SUN』のヒロイン・和泉葵役です。怪人と人間との差別が渦巻く過酷な世界観の中、差別の撤廃を訴える若き活動家として登場。劇中での壮絶な拷問シーンや、怪人へと変貌を遂げていく心の葛藤、そして復讐と信念に燃える鬼気迫る怪演は、配信当時SNSの世界トレンドを席巻しました。
「あの上品なジブリヒロインと同一人物なのか」と視聴者を驚かせた振れ幅の広さこそが、平澤宏々路という役者の真骨頂です。可愛いだけのアイドル的女優にとどまらない、人間の剥き出しの感情を体現できる力量がここに証明されました。