ネット上の簡易的なまとめ記事などでは、「尾田先生がふざけて適当なオノマトペをつけているだけ」と片付けられることがありますが、これは明らかな誤解です。物語が最終章へ進むにつれ、『ONE PIECE』における「笑い」は作品世界の根源的な謎に直結する最大の伏線であることが証明されています。
最たる例が、ゴール・D・ロジャーが世界の真実、空白の100年、古代兵器の正体を知った際に残した行動です。彼は莫大な宝を前にして涙を流すのではなく、腹を抱えて「笑った」のです。そして、その島に「Laugh Tale(ラフテル=笑い話)」と名付けました。
また、主人公モンキー・D・ルフィの最高到達点である「ギア5(太陽の神ニカ)」の覚醒時、ルフィは戦場であるにもかかわらず「あひゃひゃひゃ!」と笑い転げながら戦い続けます。苦痛や怒りを力に変える従来の少年漫画の文法を覆し、「解放と歓喜の笑い」こそが世界を夜明けへ導く力として描かれているのです。独特な笑い声の数々は、この「笑い」という作品全体のコアテーマに向けられた、緻密な布石に他なりません。