源公という役柄は、最初からあのように完成されていたわけではない。初期のキャスティングやキャラクター造形において、山田洋次監督との綿密なやり取りや、彼自身の泥臭い試行錯誤が幾重にも重ねられた末に生まれたものだ。単なるコメディリリーフに終わらせず、柴又という街の情愛を背負うキャラクターへと昇華させたのは、彼自身の泥臭い役者魂だった。
現場では常に周囲の空気を読み、アドリブを交えながらも決して主役の邪魔をしない絶妙な立ち位置を保ち続けた。時には過酷なロケ現場で誰よりも泥だらけになり、体を張って笑いを生み出す。そうした知られざる奮闘の積み重ねが、半世紀にわたり国民から愛され続ける名キャラクターを形作ったのだ。彼が遺した足跡は、職人芸とも呼ぶべき脇役の極致として語り継がれている。