「一般的な服飾専門学校との最大の違いは、再現対象への異常なまでの解像度です」
授業の様子を案内してくれた講師は、そう語りながら生徒が制作した巨大な甲冑に目を向けた。画面内の架空のキャラクターが身につける衣装を、現実世界に「矛盾なく」着地させる。そのためには、伝統的な和裁や洋裁の知識だけでは到底足りない。
実習室では、最新の3Dスキャナーとレーザーカッターがフル稼働している。軽さと強度を両立させる特殊素材の成形、テクスチャ再現のためのエアブラシワーク、さらには着用者の動きを制限しない人間工学に基づいた構造設計まで、講義内容は多岐にわたる。さらに驚くべきは、制作した衣装を着た状態での「立ち振る舞い」や「殺陣(たて)」の指導まで行われている点だ。衣装とアクターが一体化して初めて完成する芸術、それがこの場所の定義である。