パートやアルバイトの掛け持ちをしている方の多くが最初に直面するのが、「社会保険はどちらか1社だけで入ればよいのか、それとも両方で引かれるのか」という疑問です。ダブルワーク社会保険どっちで入るのかという問題に対する結論は、事業所ごとの「労働時間」と「月額賃金」がそれぞれの基準を満たしているか否かによって、完全に機械的に決定されます。
日本の健康保険および厚生年金保険における基本原則は「事業所単位での判断」です。掛け持ち先の労働時間は原則として合算されず、会社Aと会社Bのそれぞれで加入要件を個別に満たしているかをチェックします。具体的には次の3つのパターンのいずれかに分類されます。
第1に「2社とも加入要件を満たす場合」です。このケースでは、どちらか一方を選ぶのではなく「両方の会社で社会保険に加入し、双方の給与から保険料が天引きされる」ことになります。法律上、どちらか都合の良い会社1社だけを選ぶことは認められていません。両社合算の報酬月額に基づいて総保険料が算出され、給与比率に応じて天引きされます。
第2に「メインの会社(A社)のみで要件を満たし、サブの会社(B社)では満たさない場合」です。この場合は、通常どおりA社のみで社会保険に加入し、B社の給与からは雇用保険や税金のみが処理され、社会保険料は一切引かれません。
第3に「どちらの会社でも単独では加入要件を満たさない場合」です。例えばA社で週15時間、B社で週15時間働いているような週20時間未満掛け持ちの社会保険については、現行制度上、労働時間を合算して加入する仕組みにはなっていません(一部の特例を除く)。そのため、どちらの会社でも社会保険(健康保険・厚生年金)には加入せず、自身で国民健康保険および国民年金保険料を納めるか、配偶者の扶養内にとどまる形となります。