羽蟻の発生源が室内にあることが濃厚となった場合、個人でのDIY根絶は不可能です。木材の内部や地下深くに張り巡らされた本巣を壊滅させるには、専門的な薬剤と穿孔(せんこう)注入技術が不可欠となります。ここで問題となるのが、不透明になりがちなシロアリ業者の費用相場と悪質業者の見極めです。
シロアリ防除の工法には、床下や木部に直接薬剤を散布する「バリア工法」と、建物の周囲に毒餌を配置して巣ごと全滅させる「ベイト工法」の2種類が存在します。現在の標準的な相場は以下の通りです。
羽蟻の発生時期になると、「近所で工事をしているので無料で点検します」と突如訪ねてくる訪問販売業者が急増します。床下の写真を偽造したり、「今すぐ契約しないと家が倒壊する」と過剰に恐怖を煽ったりして、相場の2〜3倍に当たる80万〜100万円規模の床下換気扇や調湿材を抱き合わせ契約させる悪質な被害が国民生活センターにも多数寄せられています。必ず「日本しろあり対策協会の登録業者(しろあり防除施工士在籍)」かつ、相見積もりを2〜3社から取得することが鉄則です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
羽蟻に遭遇した際、どのような基準でプロを呼ぶべきか、明確な境界線を引く必要があります。
【即座に専門業者を呼ぶべき条件(自力解決不可)】
・巾木、敷居、サッシの隙間、風呂場のタイル目地から直接羽蟻が這い出している。
・発生時期が4〜5月の昼間(ヤマトシロアリ)、または6〜7月の夜間(イエシロアリ)に合致する。
・落ちていた羽の長さが前後すべて同じであり、胴体に「くびれ」がない。
・床を歩くとキシキシ鳴る、あるいは一部が沈み込む感触がある。
これらに1つでも当てはまる場合、自力での様子見は家屋の致命的な損壊を招くだけです。
【過度な警戒をせず様子見で良い条件(自力対処可能)】
・屋外の網戸の外側に数匹だけ張り付いており、室内からの発生源がない。
・胴体に明確な「ハチのようなくびれ」があり、触角が「くの字」に曲がっている(黒アリ)。
・夜間に窓を開けていた部屋の電灯周りにのみ数匹集まっていた。
この場合は、掃除機で吸い取って侵入経路(網戸の隙間やサッシ下部)を塞ぐだけで十分であり、高額なシロアリ駆除工事を発注する必要はありません。