鬼平江戸処の最大の求心力となっているのが、フードコートを軸とする充実した飲食店舗のラインナップです。いわゆる高速道路の定番スナックにとどまらず、江戸の食文化を牽引してきた名店や老舗の味を気軽に味わえる点が支持されています。
その筆頭が、「本所さなだや」で提供される一本うどんです。作中で鬼平の密偵・相模の彦十が通ったとされる本所・御竹蔵近くの藁葺き屋根の茶屋をイメージしたこの店では、幅約2.5センチ、厚さ約1センチという驚異的な太さを誇る一本の麺が丼の中に鎮座しています。茹で時間に長時間を要するため数量限定となる日も多く、じっくりと煮込まれた極太麺は、外側は滑らかでありながら中心部にはしっかりとした小麦のコシが残る独特の食感。濃い口の江戸風つゆと温泉玉子が絡み合う味わいは、一度体験すると忘れられないインパクトを残します。
もう一つの看板が、鬼平ファン垂涎の軍鶏鍋処「五鉄」です。原作において平蔵や密偵たちが集い、密談を交わしながら箸をつついた軍鶏鍋屋を再現しており、老舗鶏料理店「玉ひで」が監修を務めています。特製割り下で煮込まれた軍鶏肉は噛むほどに力強い旨味が溢れ出し、濃厚な地鶏卵でとじた「一本うどん入り軍鶏鍋定食」や「極上親子丼」は、一般的なPAグルメのレベルを完全に超越した本格派として絶賛を集めています。
また、炭火で香ばしく焼き上げるうなぎ専門店「忠八」や、立ち食い感覚で楽しめる天ぷら「いづもや」、さらには中華そばの「弁多津」など、フードコートの営業時間は早朝7時から夜22時まで(店舗により異なる)幅広く設定されており、朝食から深夜手前の夕食まであらゆる時間帯の胃袋を満たしてくれます。