アパレル業界の調査データや大手ポータルサイトの生活情報でも話題を集めるのが、「買ったTシャツの着丈が長すぎる」「好みのオーバーサイズを選んだら裾が余る」というサイズ感の悩みです。プロのお直し専門店に出すと1着あたり1,500円〜3,000円前後の工賃と数日間の納期を要しますが、現在はTシャツの裾上げを自分で行うユーザーが急増しています。
選択肢としては、市販のツールを使う方法から本格的な縫製まで多岐にわたります。カットソーの生地は伸縮性(ストレッチ性)を持つため、布帛(シャツ生地)用の硬い資材を使うと着脱時に糸が切れたり、裾が突っ張って不自然なシルエットになったりする点に注意が必要です。
資材を活用する場合、特にTシャツの裾上げテープの使い方には重要なコツがあります。裁断した裾の端にテープを配置する際、生地を引っ張った状態でアイロンを押し当ててしまうと、接着後にテープが縮んで裾全体に細かい波打ち(パッカリング)が生じてしまいます。生地を完全に脱力させた状態で配置し、スチームアイロンを上から10〜15秒間「体重をかけて垂直に押し付ける」のが剥離を防ぐ鉄則です。
針と糸を使うケースでは、Tシャツの裾の縫い方を手縫いで行う場合、通常のまつり縫いではなく「千鳥掛け(ちどりがけ)」が推奨されます。糸がクロスしながら遊びを持つため、着用時に裾が引っ張られても糸切れを起こしません。また、Tシャツの裾上げをミシンで美しく仕上げる際は、針を「ニット専用(ボールポイント針)」に変更し、直線縫いではなく細幅のジグザグステッチや伸縮強化縫いを選択することで、既製品に近いしなやかな仕上がりを担保できます。
既製品の裾裏によく見られる二重環縫い(カバーステッチ)がほつれてしまった際は、無理に引っ張ると連鎖的にほどけてしまいます。Tシャツの裾のほつれ補修では、ほどけた糸の末端を裏側へ引き込み、ほつれ止め液(ピケ等)で固めるか、同色のニット用糸で周囲をすくい縫いして留めるのが確実な現場処置です。