ネット上には「ふみふみをしない猫は愛情不足」「すべてのふみふみは甘えている証拠」といった短絡的な情報が散見されますが、これらは獣医学的な事実と異なります。
盲点1:執拗なふみふみは「ストレスサイン」の可能性
引越し、新しいペットや家族の増加、長時間の留守番など環境変化があった直後、取り憑かれたように毛布をふみふみし続ける場合は、自らを落ち着かせるための常同障害(転位行動)の疑いがあります。単なる甘えと決めつけず、日常の生活環境に負荷がかかっていないか点検が必要です。
盲点2:毛布を吸う「ウールサッキング」の重大なリスク
布地を強く吸い込みながら噛みちぎる行動が見られる場合、繊維を飲み込んでしまう消化管内異物(腸閉塞)を引き起こす危険性があります。特にシャムやオリエンタル系の血統種に遺伝的素因が多いとされ、生後2〜3ヶ月未満で早期離乳した猫に頻発します。布を噛み始めたら速やかにおもちゃへ興味を逸らすなどの対策が必須です。
盲点3:オス猫のマウンティングとふみふみの混同
未去勢のオス猫、あるいは去勢時期が遅かった成猫が、毛布などを口にくわえて前足をふみふみしつつ腰を動かしている場合、それは甘えではなく交尾の擬似行動(マウンティング)です。発情期の興奮や縄張り意識に起因するものであり、去勢手術のタイミングによって行動の残存率が変わります。