今日使われている歪なテキストアートは、一朝一夕に生まれたものではありません。その原点は、2000年代初頭に匿名掲示板で爆発的に普及した2ch 顔文字 まとめやアスキーアート(AA)文化にあります。「モナー」「ギコ猫」「ブーン」といった初期キャラクターから派生した「(゚Д゚)」「(・∀・)」などの記号表現が、長い年月をかけて多言語文字セットを取り込み、複雑化していきました。
そして現在、このカルチャーをスマートフォンの入力環境で牽引しているのが、キーボードアプリのSimeji キモい顔文字検索機能です。Simejiや各種クラウドIMEのユーザー辞書機能には、コミュニティから投稿された最新のユニークな表情がリアルタイムで登録されています。
「きもい」「うざい」「煽り」「にちゃ」といった感情語をひらがなで入力するだけで、変換候補に複雑な特殊文字を組み合わせたバリエーションがずらりと並びます。Unicodeの拡張によって、チベット文字やブラーフミー系文字などの特殊な記号を瞳や眉に見立てる手法が定着し、造形の不気味さは年々高度化しています。