宮崎駿作品において、「川や海の神」と「ヘドロ・ゴミ」の対立は『風の谷のナウシカ』の腐海や『崖の上のポニョ』などにも通底する重要なテーマです。
人間が汚染した川から生まれたヘドロを人間自身が清め、その神から返礼として受け取った団子が、人間の欲望に呑まれた存在(ハクやカオナシ)を治療するという構造は、自然と人間社会の循環関係を鮮やかに象徴しています。
また、現代社会において人間は過剰な情報、物質、欲望を体内に取り込みすぎて身動きが取れなくなりがちです。作中で描かれる「激しく吐き出す」という行為は、一見グロテスクでありながら、魂を無垢な状態へリセットするための崇高な儀式として演出されています。苦痛を伴ってでも体内の澱みをすべて外へさらけ出すことこそが、再生への唯一の道であることを物語っています。