ネット上の掲示板では、しばしば「ABEMAは放映権料が高すぎて永久に儲からない」「藤田社長の個人的な趣味事業ではないか」といった短絡的な批判が散見されます。かつてFIFAワールドカップの全試合無料生中継を敢行した際にも、巨額のコスト負担に対して個人投資家から悲鳴に似た声が上がりました。
しかし、こうした言説は同社のエコシステムの本質を見誤っています。藤田晋社長が一貫して狙ってきたのは、単なる動画サブスクリプションの課金収入ではありません。地上波に匹敵する圧倒的な週間アクティブユーザー(WAU)を獲得した上で、その巨大なトラフィックを公営競技投票サービス「WINTICKET」などの周辺高収益ビジネスへ送客するプラットフォームビジネスです。
公式発表資料や決算データを精査すると、メディア事業の売上構成比において、周辺ビジネスの伸びが全体の利益率を押し上げている事実がはっきりと確認できます。ネットの噂で語られがちな「広告と月額会員頼み」というイメージは、現場のマネタイズ実態とは大きく乖離しています。市場がこのビジネスモデルの堅牢性を正当に評価し切れていない点こそ、サイバーエージェント将来性を占う上での最大の盲点です。