店頭に並ぶ国産若鶏モモ肉や豚バラ肉のメガパックに貼られた値札を見て、思わず二度見する買い物客は少なくありません。ネット上では「安すぎて逆に不安」「肉質が悪いのではないか」といった噂が囁かれることもありますが、取材と企業情報の精査を進めると、その安さは徹底的に合理化された流通システムに起因していることが判明します。
ジャパンミート卸売市場さいたま北店の安い理由の根幹を握っているのが、親会社である株式会社JMホールディングスの存在です。同社は食肉の卸売業からスタートした専門企業であり、現在では「肉のハナマサ」などを傘下に収める業界のリーディングカンパニーです。中間業者(仲卸)を極力挟まず、産地からの直接買い付けや家畜の「一頭買い」を行うことで、仕入れコストを劇的に圧縮しています。
さらに、カット・スライスなどの精肉加工工程を自社グループ内の大型PC(プロセスセンター)で一括集中処理し、各店舗へ直送するインフラを確立しています。店舗側で発生する人件費やロスを極限まで削ぎ落とし、その削減分を店頭売価へとダイレクトに還元する循環構造が構築されているのです。単なる安売り店ではなく、上場企業としての調達スケールメリットが生み出した論理的必然の価格設定と言えます。