中国産あさりを語る上で避けて通れないのが、2022年に日本全国へ激震を走らせたあさり産地偽装問題の真相と経緯です。農林水産省の調査によって、熊本県産として全国のスーパーで販売されていたあさりの実に「97%以上」に外国産(中国産・韓国産)が混入していた実態が暴かれました。
手口は極めて悪質でした。中国や韓国から輸入した大量のあさりを、熊本県などの浅瀬や干潟に数日間だけ撒き、名目上「蓄養(ちくよう)」したことにして「熊本産」のラベルを貼って出荷していたのです。日本の法律(食品表示法)にあった「複数の場所で成育された場合、成育期間が最も長い場所を原産地とする」というルール(いわゆる「長いところルール」)を悪用した脱法行為でした。
この事件を契機に、水産庁および関係機関は制度を根本から改めました。輸入あさりを短期間国内の海に浸けた程度では国産と名乗れないよう法改正が行われ、さらに微量元素比率やDNA分析を用いた高精度の産地判別技術が現場に導入されました。不正を行った流通業者の摘発と是正命令が相次いだ結果、現在の水産流通は激変しています。
2026年最新のあさり輸入動向ニュースによると、かつて「国産」に化けていた中国産あさりは、現在すべて正確に「中国産」として店頭に堂々と並んでいます。数字上、中国産あさりの流通量が増えたように見えるのは、偽装が根絶されて本来の原産地表示が正常化したことの証明でもあります。偽装の影が払拭された今、消費者は納得した上で選択できる健全な市場環境が整っています。