「PRCと書いてある製品は、従来の中国製よりも質が悪いのではないか」という不安の声をインターネット上で頻繁に見かけます。しかし、工場の生産現場やサプライチェーンの構造を綿密に追跡すると、表記の差異が直接的な品質の優劣を意味しない客観的な事実が浮き彫りになります。
経済産業省の製造業関連統計や日本繊維輸入組合のデータを分析すると、日本の衣料品市場における輸入浸透率は98%を超えており、そのうち約5割から6割を中国産が占めています。私たちが日常的に着用している有名セレクトショップの衣服や、高品質を誇るアウトドアウェア、さらには世界的大手スマートフォンメーカーのフラッグシップ機に至るまで、その多くが中国の高度な製造拠点で組み立てられています。
生産現場の視覚的なクオリティは、主に以下の2つの構造に二極化しています。
第一に、グローバルアパレルや精密機器メーカーが提携する「最新鋭の自動化メガファクトリー」です。ドイツ製や日本製の最新織機・検査ロボットを導入し、厳格な品質管理(QC工程)を通過した製品は、世界トップクラスの耐久性と縫製精度を誇ります。こうした工場で生産された製品に「Made in PRC」のタグが付与されていても、粗悪品である心配は皆無に等しいと言えます。
対照的に、インターネットの越境ECサイト等で極端な低価格で販売されるノーブランド製品を製造する小規模工場では、コスト削減を最優先するために検品工程を簡略化するケースが見受けられます。糸の始末が雑であったり、サイズに個体差が生じたりする製品が存在することも否定できません。つまり、「PRCだから質が悪い」のではなく、「発注元の企業がどのレベルの品質基準を設定しているか」が品質の決定打です。