インターネット上の掲示板や簡易的なブログ記事では、「ファのシャープはどのリコーダーでも同じ」「小穴を半分開ければどんな楽器でも綺麗な半音が出る」といった不正確な情報が散見されます。演奏トラブルを防護するために、以下の専門的盲点を把握しておくことが重要です。
誤解1:プラスチック製リコーダーは絶対にピッチが狂わない
樹脂製リコーダーは管体の変形が極めて少ないものの、「演奏開始直後の管内温度」によってピッチが著しく変化します。室温が低い冬場などは、息を吹き込む前に手で管体を温めたり、数分間ウォーミングアップを行ったりしないと、全体のピッチが10〜15セント近く低くなり、特にF#のような繊細な半音は濁った響きになります。
誤解2:ジャーマン式でも気合いで正しいF#が鳴らせる
ジャーマン式リコーダーで無理にフォークフィンガリングを行っても、音響設計上、音程が完全に合うことはありません。もしアンサンブルや吹奏楽、ポップス曲の演奏で半音階が多用される楽譜を吹く場合は、運指の努力でカバーしようとするのではなく、数百円〜2,000円程度で購入可能なバロック式リコーダーに持ち替えるのが音楽的に唯一の正解です。