中高年層を中心に今なお根強く残っているのが、「スプレー缶は釘や缶切りで穴を開けてから捨てるべき」という思い込みです。しかし、現在のスタンダードは「スプレー缶穴あけ不要」へと明確に舵が切られています。
この転換の契機となったのが、2018年に札幌市で発生した不動産店舗の大規模爆発事故です。室内で100本以上の消臭スプレー缶を一斉に噴射・穴あけした結果、給湯器の種火に引火し建物が全壊、40名以上が負傷するという大惨事となりました。
こうした事故の頻発を受け、国が定めた環境省スプレー缶排出基準では、「原則として住民に穴あけを求めず、中身を使い切った状態で排出させる体制を整備すること」を各自治体へ強く要請しました。処理施設側に除害装置付きの破砕機導入が進んだこともあり、住民側の物理的危険を伴う穴あけ作業は過去のルールとなりつつあります。