バスマティライスを扱う際、日本米と同じ感覚で「研いで炊飯器の目盛り通りに炊く」と確実に失敗します。細長く脆い米粒の構造を活かすには、科学的な下処理と熱伝導のコントロールが欠かせません。
まず押さえるべきは、洗米と浸水のルールです。バスマティ米は非常に割れやすいため、日本米のように掌でゴシゴシと研いではいけません。水を張ったボウルに米を入れ、指先で優しく泳がせるようにして2〜3回水を替えるだけで十分です。その後、必ず「30分の浸水」を行います。浸水時間が短すぎると芯残りや割れの原因になり、逆に1時間を超えると加熱時に米が崩れてしまいます。
そして、プロの味を再現する決定的な工程がバスマティライスの茹でこぼし(湯取り法)です。パスタを茹でるのと同様に、米の重量の5〜6倍以上の沸騰した湯で一気に茹で上げます。
【失敗しない湯取り法のステップ】
- 大鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩分濃度1.5〜2%(海水よりやや薄い塩気)と、カルダモン・クローブ・ベイリーフなどのホールスパイス、少量の油を加える。
- 浸水後にしっかり水気を切ったバスマティライスを投入し、強火を維持する。
- 米をかき混ぜすぎず、対流に乗せて「芯がわずかに髪の毛1本分残る状態(約7〜8割の茹で加減/約5〜6分)」で素早くザルに上げる。
- 余分な茹で汁を切り、広げて蒸気を逃がすことで、余熱による過加熱を防ぐ。
この湯取り法により、余分な表面デンプンが湯の中に溶け出して洗い流され、米粒一本一本が完全に独立した驚くほど軽やかな食感が生まれます。