本作のもうひとつの主役と言えるのが、古都の風情と湘南の潮風が交差する鎌倉市極楽寺エリアを中心としたロケーションです。劇中で描かれた美しい情景は、放送から10年以上が経過した現在も色褪せることなく現地に息づいています。
千明と和平が毎朝のように顔を合わせ、コミカルな舌戦を繰り広げた江ノ島電鉄(江ノ電)の「極楽寺駅」は、現在も木造駅舎のノスタルジックな佇まいを残し、国内外の観光客が訪れる名所となっています。江ノ電が境内すれすれを通過する「御霊神社」や、長倉家の朝食に登場した創業300年を超える和菓子店「力餅家」周辺も、下町風情と四季折々の自然が調和した当時の空気感を保っています。
長倉家が営んでいた古民家カフェ「ながくら」のモデルとなった由比ヶ浜・坂ノ下エリアのカフェ群は、古民家リノベーションカフェの先駆けとして定着。千明が夕暮れ時に一人缶ビールを飲んでいた由比ヶ浜海岸の堤防を含め、日常の喧騒から離れて「自分を取り戻す場所」としての鎌倉の魅力は、作品のファンツーリズムとともに成熟を続けています。