「エアコンをつけっぱなしにしたほうが電気代が安くなる」という言説がネット上で定着していますが、これには明確な物理的背景が存在します。エアコン内部で最も電力を消費するのは、室外機に搭載されている心臓部のコンプレッサーです。
エアコンの消費電力推移を分析すると、運転開始直後から部屋が目標温度に達するまでの約15〜30分間に、定格出力を超える最大電力が集中的に投入されます。一方で、一度室温が安定すると、コンプレッサーは回転数を落として低速運転(アイドリング状態)へと移行し、消費電力はピーク時のわずか10分の1程度にまで落ち着きます。
つまり、短時間の外出で小まめに電源を切ると、帰宅後に「熱気や冷気でリセットされた部屋」を再び力任せに冷却・加温することになり、最も電気を食うフルパワー稼働を何度も繰り返す事態に陥ります。これが、つけっぱなしのほうが安くなる「逆転現象」を引き起こす最大の理由です。