横浜中華街には500軒以上の飲食店がひしめき合っていますが、真の広東料理ファンが「焼き物の名店」として真っ先に名を挙げるのが中華菜館同發 本館です。同店が長年リピーターを惹きつけて離さない最大の理由は、「明治時代から受け継がれる乾物と焼き物の伝統技法を一切妥協せずに守り抜いている点」にあります。
昨今の観光地化に伴い、簡易的な調理法へシフトする店舗も少なくないなか、同發では専任の焼き物師(ローストシェフ)が毎朝巨大な特製炭火窯の前に立ち、肉の温度や湿度を見極めながら一本一本手作業で焼き上げています。派手な演出や極端な辛味に頼らず、厳選された肉本来の旨味とスパイスの調和だけで勝負する姿勢こそが、舌の肥えた常連客や料理人たちから「ここが中華街の基準点」と称賛される所以です。