阪神・淡路大震災からの復興を掲げ、2000年に誕生した都市型オーベルジュ「神戸北野ホテル」。総料理長である山口浩氏は、師ベルナール・ロワゾーが遺した「素材のジュ(出汁・水分)と香りを極限まで活かし、生クリームやバターの重さに頼らない」というヌーヴェル・キュイジーヌの真髄を朝食に注ぎ込みました。
ダイニング「イグレック」で供される朝食は、一般的なブッフェスタイルとは一線を画すテーブルサーブのフルコース仕立てです。席に着くと、目の前には鮮やかな色彩のポーションが整然と並びます。
メニューの象徴といえるのが、季節の野菜や果実のビタミンと酵素を丸ごと凝縮した「飲むサラダ」です。日替わりで提供される複数のフレーバーは、朝の目覚めたばかりの身体に染み渡るような設計がなされています。さらに、ホテル内のベーカリーで毎朝焼き上げられるクロワッサンやパン・オ・ショコラ、兵庫県産の厳選素材を用いた無添加の手作りコンフィチュール(ジャム)や、風味豊かなオリジナル発酵バター、タピオカオレが並びます。
特筆すべきは、エッグカッターを使って客自身が殻を割る半熟卵のセレモニーや、極上のジャンボンブラン(ボイルハム)です。2026年最新情報における朝食単体(外来利用)の価格は、原材料および人件費の高騰を反映し、サービス料・税込みで約8,600円〜9,500円前後に設定されています。モーニングとしては一見高額に映りますが、これは「朝から味わうフルコースフレンチの芸術」であり、その価格設定には十分な技術的・体験的根拠が存在します。