マキノ雅彦監督作品に対する世間の評判やレビューは、公開当時から現在に至るまで、非常に明確な特徴を持っています。映画レビューサイトやSNSコミュニティでの評価を検証すると、作品ごとに異なる熱狂と賛否両論が存在します。
デビュー作となった『寝ずの番』においては、「下品スレスレの艶笑噺をここまで小気味よく格調高い笑いに昇華できるのは、名優の演出力ならでは」「役者陣がとにかく生き生きとしていて、葬式の席で不謹慎に笑ってしまう人間の業が見事に描かれている」と絶賛の声が相次ぎました。一方で、「露骨な性的描写に好みが分かれる」という指摘も散見され、尖った作家性が話題を呼びました。
続く『次郎長三国志』では、昭和の時代劇を知るオールドファンから「マキノ雅弘印の心地よいカット割りとリズムがしっかり受け継がれている」と評価された反面、現代的なスピード感を求める若い世代との間で温度差が生じる場面もありました。そして『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』では、西田敏行をはじめとする名優たちの演技を引き出す確かな演出力が高く評価され、ファミリー層から支持を集めました。総じて、「役者の魅力を120%引き出す演出」こそがマキノ監督最大の強みであったと言えます。