インデックス投資を検討する際、必ず比較対象となるのが「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー、通称オルカン)」です。これらと楽天VTIの間には、明確な設計思想の違いが存在します。
まず、S&P500との比較において最大のポイントは「中小型株を含むか否か」です。S&P500が米国市場の時価総額約80〜85%を占める大型優良企業で構成されるのに対し、楽天VTIは市場のほぼ100%を網羅します。歴史的な局面を振り返ると、中小型株が急成長する相場環境では楽天VTIが優位に立ち、大型ハイテク株主導の相場ではS&P500が上回るなど、わずかなパフォーマンスの波が生じます。
一方、オルカンとの違いは「地域分散の範囲」にあります。オルカンは米国を含む世界約47カ国に分散投資を行いますが、その構成比率の約6割は米国株です。「世界の覇権を握る米国経済の単独成長に賭けたい」と考える投資家には楽天VTIが適しており、「将来的な米国の相対的地位低下リスクまでヘッジしたい」という堅実派にはオルカンが選ばれる傾向にあります。