芸能界のキャスティング担当者や広告代理店の関係者へのヒアリングによると、2010年代初頭まで重宝されていた「外国人風の容姿を持つこと自体がアドバンテージになる時代」は完全に過去のものとなっています。
SNSやネット掲示板の書き込みを分析すると、「単にハーフというだけでバラエティでタメ口を利くキャラには飽きた」「容姿の珍しさではなく、発言の深さや専門性を見たい」といった視聴者のシビアな評価が目立ちます。特に東欧・ロシア系のタレントに対しては、冷戦期や平成初期に存在した「ミステリアスな白人美女」といったステレオタイプの消費から、国際情勢や文化的多様性を自らの言葉で語れるオピニオンリーダーとしての期待へと質的転換が起きています。
実際、キー局のバラエティプロデューサーは次のように証言しています。「現在は外見の記号性だけで起用される枠はほぼ存在しません。小原ブラスさんのように、文化の差異を客観視した上で日本人視聴者の感情の機微を汲み取れる『高いメタ認知能力』を持ったタレントでなければ、長寿番組のレギュラーには定着できないのが現実です」。現場で求められているのは、記号としてのルーツではなく、そのルーツを昇華させた人間力に他なりません。