国内の食品産業を牽引する巨大メーカーも、防戦一方の様相を呈している。サントリーホールディングスは主力飲料や酒類の一部で出荷価格の見直しを発表した。猛暑による農産物の不作や包材資材の調達難が背景にある。味の素もまた、主力のアミノ酸調味料や加工食品の価格改定に踏み切らざるを得なかった。海外発の原料相場の荒波が、国内トップ企業の収益構造を激しく揺さぶっている。
これまでは生産工程の自動化や配送ルートの効率化でコストを吸収してきた。だが、エネルギー価格の乱高下と急激な賃上げ要請が重なり、もはや内部留保を取り崩すだけの猶予は残されていない。企業の担当者が口を揃えるのは、「品質を維持するための苦渋の選択」という重い現実だ。