アリーナ席が必ずしも神席とは限らない。これは全国のドームを巡る観客にとっての残酷な鉄則だ。札幌ドームのアリーナ面は高低差が一切ない完全なフラットフロアである。
A〜Cブロックの前方センターに潜り込めた者は、スタジアムロックの地響きのような低音と銀テープの雨を全身で浴びる特権を手にする。一方、後方のE〜Gブロック周辺に配置された場合、前列の観客の頭越しにステージを仰ぎ見る「埋もれ席」と化すリスクが一気に跳ね上がる。
近年はセンターステージやそこから伸びる花道、さらには客席間を移動するムービングステージの導入によって後方席の救済が図られる傾向にある。それでも、自席のブロックが外周寄りであれば、演出の全貌を肉眼で捉えるのは極めて困難だ。厚底のシューズや、視界を遮らないスマートな立ち回りがアリーナ後方では必須となる。