メガクライアントを抱える株式会社電通や株式会社博報堂のクリエイティブディレクターたちが、キャスティング会議で最も重視するのは「圧倒的な嫌悪感のなさ」だ。どんなに美しく華のあるタレントであっても、少しの隙でスキャンダルに塗れるリスクを企業は極度に恐れている。
現場の広告代理店関係者は匿名を条件にこう語る。「芸人はイジられ代があるから強い。商品を引き立てる引き算の演技ができるし、仮に予期せぬトラブルが起きても、即座に自虐ネタで回収できる土地勘がある」。不祥事一つで数億円の違約金が発生する現代のテレビCMにおいて、危機管理能力の高さを兼ね備えたキャスティングこそが、究極の保険なのだ。