仮面を脱いだ後の金本は、まさに水を得た魚のようだった。「ジュニアの兄貴(アニキ)」とファンから愛称を込めて呼ばれるようになった彼は、従来のジュニアヘビー級の枠組みを超えた武闘派スタイルを確立していく。相手の技を真っ向から受け止め、それ以上の鋭い打撃でやり返す喧嘩腰のファイトは、リング上に圧倒的な緊張感をもたらした。
かつて型に嵌められ苦しんだ覆面レスラーの時代があったからこそ、素顔になった彼の感情表現は鋭利な刃物のごとき切れ味を持っていた。テレビ朝日の『ワールドプロレスリング』中継でも、彼の叫びや荒々しい表情が画面越しに全国のお茶の間へ届き、視聴者の心を揺さぶった。己の弱さと向き合い、それを強さへと昇華させたレスラーの姿がそこにはあった。