広島の高校野球を語る上で、名門・広陵高校の存在を外すことはできない。数多のプロ野球選手を輩出し、全国の舞台で数々の名勝負を演じてきた絶対王者。だが、2026年現在の広島県大会は、決して一強時代ではない。むしろ過去最高レベルの戦国時代を迎えている。
私立の強豪勢はもちろん、近年急浮上してきた公立校の躍進が目立つ。トレーニング理論の平準化とYouTubeなどによる技術情報の拡散により、各校の戦力差は劇的に縮まった。「広陵を倒さなければ甲子園はない」という共通認識が、県内のレベルを底上げしている。
夏のマツダスタジアムで行われる広島県大会決勝。超満員のスタンドから注がれる視線は熱い。ノーシードから快進撃を続けたノーマーク校が、土壇場で名門を追い詰める。そんな漫画のような展開が現実のものとなるのが、今の広島県大会の恐ろしさであり、魅力なのだ。