視聴者の感情が冷めていく最大の要因は、マラソンという行為そのものよりも、そこに付随する「過度な演出」にある。涙を誘うBGM、沿道で手を振るタレントたちの熱唱、そして放送終了直前の「奇跡のゴール」というお約束のシナリオに対して、冷ややかな視線を送る人々は少なくない。
「時間内にぴったりゴールするようペース調整されている」「最初からゴール時間が決まっている脚本がある」という指摘は絶えない。本当に全力を尽くしているランナーの努力までもが、テレビ的なお仕着せの演出によって「作られたドラマ」に見えてしまう弊害は甚大だ。現代の視聴者が求めているのは、計算された感動ではなく、予期せぬトラブルも含めた偽りのないリアルさである。